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2022/05/08 08:18
こんにちは!
心斎橋PARCO 関です! 関 INSTAGRAM✓
このブログは普段店頭でお話しさせて頂く商品のディティールやブランドの背景・文脈を、元ヴィンテージバイヤーという視点からより掘り上げてご紹介させて頂く内容となっております。
ブログを読んで頂いて、より一層AYINが取り扱っているブランドへのご興味を深めて頂けたら嬉しいです!
本日はディティールから紐解いていき、デザインのネタ元を検証!
0→1 のクリエイティブではなく、1→10や100以上にしている【温故知新】的なクリエイティブ。
それを解説していきます!
今日の対象商品はこちら↓
GREG LAUREN/MIXED PLAID SHAWL COLLAR BOXY/MULTI

Greg Laurenと言えば、こういったライトフランネルのシャツ。
毎シーズン 柄などマイナーチェンジを繰り返しリリースされる定番であり、大変人気のある洋服です。
さて、どこのなにがこのシャツのデザインソースとなっているのか...
ズバリ【アンティーク ドレスシャツ】です!!

こちらはタグの形状・デザインから、~1940’sのヴィンテージシャツです。
どうです??
パッと見た雰囲気・佇まいがもうすでに似ていると思いませんか?
まず注目して頂きたいポイントが、カフス(シャツの袖元)の形状です。
↑これがGregのシャツのカフス。
↑で、これがヴィンテージシャツのカフスです。
この仕様は、シャツが現代の様に既製服としてではなくオーダーメイドで造られていた時代に見られるディティールで、袖元を折りボタンホールに専用のカフスボタンを通し着用していました。
余談ですが、この当時のシャツは庶民が着る日常着ではなくその名の通りパーティなどで着る上流階級の人間が着るものでした。
今でも格式高いスーツブランドのお店に行くとクラシックスタイルのシャツとして販売されています。
で、何が言いたいの?という纏めは後半に!!
お次は、バックヨーク
↑Greg
↑ヴィンテージ
写真ではかなりわかりづらくて申し訳ありません...
背中の上部で生地が切り替わっている部分の右寄りの箇所に、生地をつまんでプリーツ状にしている所!
ここです!!
このディティールも、上記の通りオーダーメイドの時代の仕様です。
ここで既製服とオーダーメイド(注文服)について。
既製服は生地・パターンを予め用意し、決められた工程に沿って需要予測の元一定量以上生産される洋服。
オーダーメイドはその名の通り、注文が入ってからその個人の体形・好みに寄り添い生産する洋服。
要は【手間と時間】を懸けられるか否か の違いです。
フランス的に言うと、プレタポルテとオートクチュール。今ではプレタポルテ(既製服)とオートクチュール(注文服・特注服)を一緒にしてコレクションを発表しているメゾンも多くなりましたが、シャネルなどビッグメゾンは今でも別々でコレクションを発表しています。ある種の線引きをしている訳ですね。
で、本題!
ここまで見てもらってGregのシャツは~1940年代のドレスシャツからインスピレーションを受けて生産されていることは理解してもらったと思います。
では、Gregのこのシャツはオーダーメイドでしょうか?
そう!既製服、一般人も手に入れることが出来るプレタポルテなんです。
要は、【オーダーメイド時代の技術を駆使した既製服】
既製服だけど時間と手間を懸けている服 と解釈できます。
加えて、カジュアルウェア・アメリカンカジュアルの代名詞とも言えるチェック柄を使用している点。
チェック柄のルーツは、ハンティング(狩猟)などのアウトドアです。
1枚のシャツに「アウトドア」と「ドレス」 相反する要素を盛り込み、それを当時のクチュリエの技術を使って造り上げた。
Greg自身の洋服の過去への敬意を感じられる そういったシャツですね。
ぷらーんとただハンガーに掛かっている状態では想像もつかず気づかない、人によってはどうでも良いようなことでしょうが、
こういうデザイナーのメッセージやルーツなどの文脈を知っていけばいくほど、洋服は楽しくなると僕は思います!
最後に、Gregが使用しているチェック柄について、
↑
1960年代頃までのPenny's BIG MAC ヘビーネルの柄
↑
襟の左部分はライトフランネル、恐らくガウン
最後は完全に余談です(笑)
世の中に溢れかえっている洋服ですが、その中でも安い服・高い服 があり、安い服には安い理由が、高い服には高い理由があります。
安い服はその理由は特に気にならないとおもいますが、高い服はその理由に納得しないと買いたくありませんよね。
今回のブログで、Greg Laurenの魅力が少しでも伝わってくれれば嬉しいです。
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